法科大学院を選ぶ際は、まずは司法試験の合格率が高い法科大学院を目指しましょう。
司法試験合格率は、法科大学院によって6%から70%まで大きな差が付いているところ、
司法試験合格率に差がつく理由としては、以下の理由が挙げられます。
- 入学後の学習環境
- 司法試験の受験勉強に専念できる度合い
- 教員の教育レベル
- 同級生の学力レベル
しかし、
司法試験合格率が高い法科大学院が、必ずしも「あなたにとって入学すべき法科大学院ではない」ことに注意する必要があります。
それにまた、
「司法試験の合格率」と「法科大学院入試の難易度」は、必ずしも比例するわけではないのです。
そこで、このページでは以下についてまとめてみました。
- 司法試験の合格率(法科大学院別)
- 法科大学院入試の難易度
- 学校選びのポイント
ロースクール選びの参考にしてください。
事前に講座内容を確認しておきましょう!
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目次
司法試験→法科大学院別の合格率ランキング(2023)

司法試験合格率が高いロースクールランキング
2023年度ランキング | 司法試験合格率 | 受験者数 | 最終合格数 | |||
順位 | ロースクール名称 | 全体 | 全体 | 修了者 | 在学中 | |
1位 | 京都大学法科大学院 | 68.4% | 275 | 188 | 94 | 94 |
2位 | 一橋大学法科大学院 | 67.2% | 180 | 121 | 61 | 60 |
3位 | 慶應大学法科大学院 | 60.0% | 310 | 186 | 95 | 91 |
4位 | 東京大学法科大学院 | 59.0% | 315 | 186 | 92 | 94 |
5位 | 神戸大学法科大学院 | 48.6% | 146 | 71 | 44 | 27 |
6位 | 名古屋大学法科大学院 | 47.2% | 89 | 42 | 22 | 20 |
7位 | 早稲田大学法科大学院 | 44.7% | 389 | 174 | 90 | 84 |
8位 | 大阪大学法科大学院 | 42.9% | 182 | 78 | 51 | 27 |
9位 | 中央大学法科大学院 | 39.3% | 229 | 90 | 43 | 47 |
10位 | 北海道大学法科大学院 | 37.8% | 74 | 28 | 13 | 15 |
11位 | 岡山大学法科大学院 | 36.4% | 33 | 12 | 5 | 7 |
12位 | 愛知大学法科大学院 | 33.3% | 6 | 2 | 2 | 0 |
13位 | 成蹊大学法科大学院 | 33.3% | 3 | 1 | 1 | 0 |
14位 | 筑波大学法科大学院 | 33.3% | 51 | 17 | 12 | 5 |
15位 | 同志社大学法科大学院 | 33.3% | 87 | 29 | 19 | 10 |
参照元:令和5年司法試験の結果について(2023年法務省)
2023年度の司法試験において、司法試験合格率が高かった法科大学院の順位(上位5校)は以下の通りです。
- 京都大学法科大学院
- 慶應義塾大学法科大学院
- 東京大学法科大学院
- 早稲田大学法科大学院
- 一橋大学法科大学院
司法試験合格率が高い理由
司法試験に合格する在校生・修了生が多い理由としては、上記ロースクールでは教育プログラムの質が高く、教員陣が優秀であるということが挙げれます。
また、
司法試験の合格率が高い法科大学院には、学力レベルの高い受験生が競って入学してくるので、学生の地頭がもともと高いことも理由として挙げられます。
司法試験合格率が高い法科大学院に入学することは、一般的には簡単ではありません。
一方、司法試験合格率が低い法科大学院を選択すれば入学難易度が低くなるというわけでもありません。
志望する法科大学院への入学を確実にするためには、その法科大学院の入学難易度を確認した上で、入試対策を入念に練る必要があるのです。
下記の「法科大学院の入学難易度ランキング」も併せて読んでください。
法科大学院入試→入学難易度ランキング
競争率(入試倍率)が高い法科大学院ランキング
順位 | ロースクール名称 | 受験者数 | 合格者数 | 入試倍率 |
1 | 一橋大学法科大学院 | 480 | 92 | 5.22 |
2 | 筑波大学法科大学院 | 179 | 40 | 4.48 |
3 | 専修大学法科大学院 | 194 | 44 | 4.41 |
4 | 日本大学法科大学院 | 250 | 59 | 4.24 |
5 | 上智大学法科大学院 | 138 | 41 | 3.37 |
6 | 東京都立大学法科大学院 | 121 | 41 | 2.95 |
7 | 琉球大学法科大学院 | 49 | 17 | 2.88 |
8 | 慶應義塾大学法科大学院 | 1065 | 382 | 2.79 |
9 | 神戸大学法科大学院 | 418 | 161 | 2.60 |
10 | 東京大学法科大学院 | 626 | 244 | 2.57 |
11 | 早稲田大学法科大学院 | 951 | 373 | 2.55 |
12 | 愛知大学法科大学院 | 38 | 15 | 2.53 |
13 | 九州大学法科大学院 | 141 | 58 | 2.43 |
14 | 関西大学法科大学院 | 194 | 80 | 2.43 |
15 | 明治大学法科大学院 | 357 | 148 | 2.41 |
アガルートでは法科大学院入試について、有益な情報を発信しています。
法科大学院の入試倍率は、必ずしも「法科大学院別の司法試験合格率」と比例していません。
地理的な理由、金銭的な理由、奨学金の有無、働きながら勉強するなどの要因によって、入学したい法科大学院は受験生ごとに異なります。
法科大学院入試の偏差値について
法科大学院の入試には「偏差値」という概念はありません。
法科大学院入試の評価方法が、法科大学院大学ごとに異なるためです。
法科大学院入試は、法律実務家に必要となる法学的知識や論理的思考能力を求める試験のため、一般的な偏差値で受験生を一律評価することが難しい。そのため、法科大学院入試では偏差値が存在しないのです。
法科大学院の受験生は、志望校の入学難易度の高さを判断するには、幾つかの要素を比較して難易度レベルを判断する必要があります。
入学難易度が高い法科大学院の見分け方
どの法科大学院を受験するとしても、入学試験に合格することは容易ではありません。
法科大学院入試では、厳しい選考基準が設けられています。
入学難易度が高い法科大学院は、以下の要素で見分けることが可能です。
- 卒業生の司法試験合格率
→司法試験合格率ランキングの上位校への入学難易度は高くなります - 入学試験の入試倍率の高さ
→応募者数に対する合格者数の比率が低い法科大学院は、入学難易度が高くなります - 入学試験の問題難易度
→入試問題の難易度や内容が高い場合、入学難易度が高くなります。例えば、要求される知識量や論理的思考能力が求められる場合は難易度が上がります - 学業成績、英語、資格要件などの応募要件
→ある一定の学業成績や資格を求められる場合があります
難関法科大学院に合格するポイント
入学難易度が高い法科大学院に合格するポイントは、以下のとおりです。
- 憲法・行政法、民法・商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法の基礎をマスターすること
- アウトプットを意識した勉強を心がけること
- 大学の学業成績が評価されるので良い成績を取っておくこと
- 法曹を目指す理由と、その法科大学院の志望動機を説明できるようにすること
- 偏差値の高い大学に入学すること
- 何らかの法律の資格試験に合格しておくこと
- 予備校の対策講座を上手く活用すること
法科大学院への入学を目指す受験生は、実際に受験する法科大学院の入学試験の難易度をよ〜く把握し、法科大学院の合格基準を理解した上で、
入念な試験対策を行うことが重要です。
予備校を上手く活用してください。

法科大学院(受験校)選びのポイント
法科大学院を選ぶときには、
「司法試験合格率が高いから」
「入学試験の入試倍率が低くて入れそうだから」
という理由だけで選択してはいけません。
受験校選びで大事なことは、
「そのロースクールが自分に合っているか?」
ということです。
法科大学院を選ぶ際には、以下のポイントを考慮するようにしてください。
①司法試験合格率が高いか
一番大事なポイントは、なんといっても「司法試験合格率」の高さであることに変わりはありません。
司法試験合格率は一番に最初に確認しておきましょう。
法科大学院に入学する真の目的は「司法試験に合格すること」ですから、
その法科大学院に入学したら、司法試験の合格可能性が高まるのか?ということは大事です。
②志望する法科大学院の留年率
司法試験の合格を目指す場合、法律実務家になるわけですから、法律の基礎力、判例の理解力、実務的な論述能力を向上させる必要があります。
司法試験でも実務家としての能力を問うているので、司法試験の受験対策をすることが実務家としての能力を向上させることにつながっているのですが、
法科大学院によっては、実務家としての能力や、司法試験に合格できる学力を学習することに力点を置いていないケースがあるのもまた事実です。
特に学者先生が担当する授業では、学説の知識に重きを置いた授業が行われたりします。また授業の予習復習量が膨大であるため人によっては作業的な勉強に追われてしまうケースもあるのです。
このような法科大学院に入学してしまうと、司法試験に合格するための基礎力を固めることができずに留年ということにもなりがちです。
この場合、進級するための勉強に追われてしまし、司法試験の受験勉強まで手が回らないことも多いのです。
③学費・奨学金
入学金や授業料は国立法科大学院か、私立法科大学院かで異なりますし、私立法科大学院の中でも金額に大きな差があります。
一般的に入学金・授業料が高い法科大学院は入学を敬遠する人が多くなりがちとも思えますが、あながちそうでもありません。
学校によっては成績優秀者には奨学金が与えられたり、授業料が免除されたりするケースも多々見受けれらます。
学費や奨学金の有無、授業料免除制度については、詳しく確認しておく必要があります。
④法科大学院の学習環境、学生支援環境
法科大学院によって教育プログラムは異なりますし、先生の質、自習環境、卒業後のネットワーク環境など大きく異なります。
以下の点を考慮して法科大学院選びをすることは重要になります。
- カリキュラムと専門分野
→各法科大学院のカリキュラムや専門分野について確認し、自分の興味や将来のキャリア目標に合ったプログラムを選ぶことが重要です - 教員陣
→教員の質が大きな影響を与えるため、教員陣の情報を調査することが重要です - 就職・進路支援
→卒業後の進路実績や、進路サポートが充実しているかどうかも重要なポイントです - 学習設備
→キャンパスや図書館、自習室などの学習設備の整備状況を確認しておきましょう - 地理的条件
→法科大学院の所在地や地理的条件も検討ポイントです。ライフスタイルやアクセス環境をイメージしておきましょう。
できれば在校生や卒業生から情報を得ておきましょう

法科大学院一覧(既修・未修)
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