目次
予備試験と法科大学院入試という2つの手段
予備試験を受験するか、法科大学院に入学するか?
予備試験とロースクール入試、どちらを受験した方が良いのか、真剣に考えましょう。どちらもメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
予備試験を受験 | ・費用が安い、 ・合格すれば司法試験受験可能 | ・難関(合格率が低い) ・不合格なら受験長期化 |
法科大学院入試を受験 | ・予備試験より簡単 ・確実に2~3年後に司法試験受験可能 | ・学費が高額 ・学校の授業で忙しい |
予備試験を受験する場合
法科大学院の学費は高いですし、仕事をしながらロースクールに通うことは難しいので、社会人受験生の場合には「予備試験の受験」を検討することが多いと思います。
しかし、予備試験の受験を選んだとしても、必ずしも受験費用が安くなるとは限りません。
たとえば、伊藤塾などの通学制予備校に通う場合には、講座料金が高いので、法科大学院に入学するのと遜色ない受験費用が必要となる可能性もあります。
とりわけ、受験期間が長引くほどに、機会損失も多くなる可能性が高いのです。
予備試験を受験するときには、先輩の社会人合格者の体験談もよく聞いた上で、どのような方法であれば受験コストが低くなるのか?合格しやすいのか?
自分に合っている方法を検討しておきましょう。
資格スクエアなどのオンライン講座を受講すれば、合格から逆算した学習プログラムで勉強できるので、短期合格する方も多いようです。
法科大学院入試を受験する場合
社会人受験生の場合でも、費用的に問題がなく、通学することが可能であれば法科大学院に入学することをお勧めします。
ロースクールの2年間または3年間という受験期間は長いようですが、卒業さえすれば必ず司法試験の受験資格を得ることができます。
予備試験は受験費用を抑えることが出来る可能性はありますが、難関試験であるため、合格できる保証はありません。
できることならば確実に司法試験を受験できる法科大学院に入学することが得策です。
しかし、法科大学院における学生生活は多忙に渡りますし、平日昼間に授業が開講される学校がほとんどでしょう。
会社に勤めながら勉強するときには、夜間に授業が行われる筑波大学法科大学院などへの入学を検討しましょう。→筑波LSの詳細
受験開始後の収入イメージ(司法試験・予備試験)
働きながら受験するときの収入手段 | 会社員としての給料 |
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退職して専業受験生になるときの収入手段 | 失業保険 アルバイト |
働きながら受験するときの収入手段
社会人受験生であれば、お給料が貰えるので収入は安定します。
しかし受験勉強をする以上、残業は少なくしましょう。残業代は期待してはいけません。
また、受験期間中は勉強に労力を割く以上、仕事に注ぐ力が少し減ると思います。昇給などは期待しないでおきましょう。
退職して専業受験生になるときの収入手段
専業受験生になる場合には、失業保険が貰えます。
受給金額や受給期間は人により異なりますが、現在の給料よりも少ない金額を半年くらいは貰えると思っておいて良いでしょう。
また、アルバイトをする受験生もいますが、勉強が忙しいので基本はバイトをできないと考えた方が良いでしょう。
専業受験生になるのは正解か?
アルバイトをする場合、バイト報酬は会社員時代の給料より低額になるはずです。
折角、専業受験生になるのですから、勉強に専念すべきでしょう。
予算的にアルバイトをしなければ生活が苦しいというのであれば、しばらくの間は会社員として働きながら勉強することをお勧めします。
受験開始後の支出イメージ(司法試験・予備試験)
生活費 | 人により異なる |
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予備校代 | 通学制予備校とオンライン予備校で異なります。 |
直前期の予備校代 | 10万円程 (模試・直前授業等) |
受験生になると、生活費の他に使うお金は「受験に必要な費用」が主になると思います。
中でも、予備校に支払う講座や答練・模試の料金は多額になるでしょう。
予備校の料金は、結局幾ら必要か?
通学制予備校 | 年間70〜100万円 |
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オンライン予備校 | 年間20万〜50万円 |
司法試験と予備試験の場合、オンライン予備校の講座料金は割安です。
予備校の料金のほかに、別途、書籍代や文房具代も必要となりますし。
また、本試験受験の際に試験会場の近くのホテルに泊まることもあります。ホテル代も念頭に入れておくと良いでしょう。
本試験当日(合格)から逆算した受験計画を立てる
- いつ受験(合格)するのか?
- 本試験当日から合格発表日までの過ごし方は?アルバイトする場合はどんな職種があるか?
- 合格後、収入はいつから入るのか?
①いつ受験(合格)するのか?
司法試験と予備試験の出題範囲は広く、勉強することがたくさんあります。一から出題範囲を全て勉強すると、いつまで経っても試験範囲の学習を終えることはできません。
まず理解しておきたいのは、司法試験と予備試験は、知識が不完全な状態で受験しなくてはならないということです。しかも合格するためには知識を全てマスターできていなくても大丈夫なのです。
多くの合格者を見ていると、短期合格者は1年〜2年の試験期間で合格していきます。
1年間〜2年間で合格していく方は、勉強に多くの時間を割くことができる専業受験生のことが多いようですので、自分はどれほど勉強に時間を割くことが出来るのか?ということを考えて、
「いつ合格(受験)するのか?」
ということを決めておきましょう。
②本試験当日から合格発表までの過ごし方
本試験を受験した翌日から合格発表まで、どのように過ごすのか?ということを考えるのも必要です。試験後のことを事前に考えておくことで、場合によってはモチベーションが上げることができますし、不安に陥ることなく落ち着いて勉強することも可能となります。
試験翌日から、自分へのご褒美として旅行に行っても良いでしょうし、資金面のことを考えて働いても良いでしょう。
専業受験生の場合には、受験後はどのような仕事をしたら良いのか、検討しておくと良いでしょう。派遣社員として働く方や、予備校でアルバイトする方、リゾートバイトなどに出かける方など色々です。
③試験合格後、収入はいつから?
また、合格したらすぐに収入が入ってくるわけではありません。
実際に働くことになるまでの間に、いつから収入があるのかということも考えておきましょう。
お金のことを事前に考えておけば、資金的に不安感を感じながら勉強することもないでしょう。なお、司法試験や予備試験に合格後は、予備校で採点のアルバイトをする方も多いようです。
司法試験・予備試験の受験生⇒1日の生活リズム
平日 | 毎日勉強する(忙しくても、短時間で良いので必ず毎日勉強する) |
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土日祝日 | まとめて勉強する |
社会人として働きながら勉強するにしろ、専業受験生として勉強をするにしろ、持てる時間を全て勉強に当てるようにしてください。
勉強の可処分時間は人それぞれですが、与えらえた時間をどのように使うかは、各人の自由です。自分に与えられた時間は全て勉強に当てるようにしましょう。
受験中は、移動時間やスキマ時間も無駄なく勉強したくなることでしょう。
歩いている時間でさえ、頭の中で思考を巡らせたり、暗記カードで覚えたりする受験生は多いです。
不合格のときの、予算計画も立てておく
(1)精神衛生状態を安心させるために
受験する前から不合格になったときのことを考えるなんて、と思う方もいるでしょう。
しかし、受験期間中は強いストレスや不安感に見舞われます。不合格だったらどうしよう、という不安に陥り勉強が手につかないという人もいるようです。
たとえ試験に落ちても、資金的なリスクはないということを事前に確認しておくことで、落ち着いて勉強に集中することが出来るのです。
(2)専業受験生はアルバイトのことを
試験に不合格だった場合には、専業受験生だった方も、ある程度働きながら勉強する必要に迫られるかもしれません。アルバイトが必要となる方もいるでしょう。
家庭教師や予備校でのアルバイトなど、どのような職種があるのか確認しておくと良いでしょう。
(3)再就職すべきか
アルバイトで得られる収入は決して多くないですから、就職して働きながら勉強することを決断する人もいるでしょう。
「再就職できるのか」
「再就職した方が良いのか」
働きながら合格できるのか、ということについて、自分なりに納得感を持っておきましょう。
合格できず司法試験から撤退するときのことも検討
(1)撤退後、再就職できるのか?
司法試験から撤退するケースについても、念頭に入れておくと良いでしょう。確かに絶対に合格する!という決意を持って猛進することは重要です。
しかし「不合格になった時でも大丈夫」ということを確認しておけば、より安心して勉強に専念できると思います。
「もう合格するしかない!」
「後がない!」
というプレッシャーを逆境のバネとできる人もいるようですが、多くの方は不合格になっても大丈夫!と思っていた方が安心して勉強に集中することが出来るでしょう。
(2)資格転向するとき、どのような資格があるか
司法試験から別の資格試験に転向するときには、まずは「行政書士」や「司法書士」の試験を受験する方が多いと思います。
確かにこれらの法律系の職種は、司法試験を受験していた方であれば、他の受験生に比べて有利に合格に近づくことが出来ると思いますが、
全く別の試験なので、一からスタートする気持ちでしっかりと受験に臨むようにしましょう。
特に「司法書士試験」の場合には、登記法という新たな法律科目が出てきます。登記法は難関であるので、気合を入れて勉強する必要があります。
働きながら受験した方が良いということはないか?
働きながら勉強するメリット | 精神面が安定する お金の不安が解消する |
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デメリット | 勉強時間が少なくなる |
社会人の方の場合は、当面の間は、働きながら受験勉強することの方がメリットが大きいように思います。
働きながら勉強することは、勉強時間を捻出することが難しい。だからこそ司法試験や予備試験を受験するときには、会社を辞めて受験勉強に専念するしかない、という発想になりガチだと思うのです。
しかし、社会人の方でも、受験勉強と仕事を両立させることは可能です。業種・職種や会社の選び方によっては、勉強時間を捻出することは十分に可能だと思います。
特に、在宅勤務で勉強できる場合や、管理職ではないポジションで働く場合には、自由な時間が多いと思います。
会社に勤務していれば毎月決まった金額の収入が確保されるわけですから、予備校の講座費用を捻出することも容易ですし、生活面の不安はないことでしょう。
それに、たとえ不合格になったとしても生活や受験継続になんら支障もないわけですし、司法試験から撤退することになったとしても会社員として頑張れば良いだけなのです。
初学者で予備試験に合格する自信が無い場合
法律学習がまるっきり初心者の方が、予備試験を受験することは大変かもしれません。
人によっては、徐々に勉強難易度や資格難易度をステップアップしていく方が良い方も多いはずです。
「行政書士」や「司法書士」の資格試験を受験して、これらの試験に合格してから予備試験を受験するという手もあります。是非参考にしてみてください。
社会人受験生が絶対確認すべきこと
以上、社会人の方が受験勉強を始めるときに、確認すべきことを述べてみました。
「生活面」
「金銭面(予算計画)」
「不合格の時の対応」
社会人の方が予備試験・司法試験を目指すと決めたときには、受験生となった当初は、初めてのことを学習するわけですから、新鮮な気持ちで、知的好奇心を満たしながら勉強することができるでしょう。
清々しい気持ちで学ぶことが出来るでしょうが、本試験が近づくにつれて、徐々に合格することの難しさを実感して、精神的にキツくなると思います。
「合格するしか人生に道がない」という状態に追い込まれると本領発揮できない方も多いと思います。
だから、あらかじめ学習面・資金面から考えて、合格する迄の計画を綿密に立てて、リスクも極力ヘッジした上で司法試験に立ち向かうことが必要なのです。

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