法曹三者の仕事内容から始まり、これから司法試験を目指す方に向けて書いています。ご参考になりますように。
目次
弁護士の仕事内容
弁護士は民間の法律専門家として最も信頼が置かれている士業です。
基本的人権を擁護して社会正義を実現することを使命としており、人権擁護の担い手でもありますし、
一般民事における離婚・相続といった案件から、法人を対象とした法務業務やM&Aなどの大型の案件まで、幅広い分野で活躍しています。
弁護士の活動は、法廷活動・紛争予防活動・立法や制度の運用改善に関与する活動にもあらゆる分野に及んでいるのです。具体的には、法律相談、和解・示談交渉、民事刑事の訴訟事件、離婚などの家事事件や行政庁に対する不服申立等の法律事務を挙げることができます。
弁護士は士業の中でも特に広い業務範囲を持っており、法律分野におけるエキスパートとしての活躍が期待されています。
検察官の仕事内容
検察官とは、犯罪を捜査して起訴不起訴を決定し、さらに裁判において法律の判断を求める行政官のことを言います。
仕事内容は、刑事事件の捜査から裁判まで幅広いです。
検察官の種類としては、検事総長、次長検事、検事長、検事、副検事に分かれており、独立した権限を持っています。
裁判官の仕事内容
裁判官の仕事内容は、裁判所で裁判を行い法律に基づいて判決を行うことにあります。国家公務員の身分にあり、司法権の独立を守るために身分保障もされているのです。
裁判所は、最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所に分かれています。
法曹になるには・司法試験の受験資格は2つ
法曹(裁判官・検察官・弁護士)になるには司法試験に合格する必要があるのですが、
司法試験の受験資格を得るためには「予備試験」に合格するか、「法科大学院」を修了する必要があります。
いずれも難関ルートであり、短くとも数年間の期間を要することから、司法試験は受験資格を得るまでの期間も長く難関試験となっています。
晴れて司法試験を合格した後にも、まだ最後の難関が待っています。
司法試験に合格した後には司法修習生となるのですが、修習期間の最後に司法修習生考試(二回試験)に合格する必要があります。これらをパスしてようやく法曹になることができるのです。
予備試験ルート
予備試験には受験資格がありません。
学歴・年齢・国籍による制限はないので、中卒や高卒の方や大学在学中の方でも、希望すれば誰でも受験することができます。
5月:短答式試験 | 憲法、民法、刑法、商法 民事訴訟法、刑事訴訟法 行政法 一般教養科目 |
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7月:論文式試験 | 憲法、民法、刑法、商法 民事訴訟法、刑事訴訟法 行政法 民事実務基礎、刑事実務基礎 一般教養科目 →選択科目へ |
10月:口述式試験 | 民事実務基礎、刑事実務基礎 |
法科大学院ルート
法科大学院(ロースクール)は、2004年4月に開校された法律家養成を目的とした教育機関です。
「法科大学院を卒業」すると、法務博士号と、司法試験の受験資格(5年間)が付与されます。
法学既修者コース | 就業期間は2年間 法律知識がある方が入学するコースです。 法学部を卒業しなくても、入学試験(法律科目試験)に合格すれば入学可能です。 |
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法学未修者コース | 就業期間は3年間 法律知識が無くても入学できるコースです。 法学部出身者でも入学可能です。 |
※大学に設置される 法曹コース | 法科大学院への早期進学を可能とするため「法曹コース」を設置。2019年以降に法学部に入学した方は、3年間で早期に卒業し、出身大学か連携大学の法科大学院に進学することが可能になります。 |
予備試験と法科大学院入試対策にオススメの予備校
司法試験の受験対策をするためには、予備校を利用することは必須となりますが、
予備試験と法科大学院入試、それぞれにおいて適した予備校が存在しています。
予備試験を主眼とする場合には「資格スクエア」がオススメであり、法科大学院入試を主眼とする場合には「アガルート」がオススメの予備校となります。
裁判官になるには
裁判官になるには、司法修習で採用されるルートが基本となります。
裁判官になる人は司法試験合格者の中でも、特に優秀な人であると言えそうです。
裁判官の採用者は100人を下回っており、司法修習生の5〜10%の人にしかその道は開かれていないと言えます。
裁判官を志願する者は判事補となり、10年後に再任されると判事に任命されます。
ちなみに、数は少ないものの、弁護士としての経験を武器に判事補に任命される人もいます。
裁判官になる人は大学在学時や卒業後すぐに司法試験に合格し、若くして司法修習生になる方が多いようです。
検察官になるには
検察官になる道も険しく、司法試験に合格したからといって、誰でも検察官になれるわけではありません。
司法試験では、事実が挙げられたうえで、法律の解釈や適用について問われることが多くあります。
裁判官と同様に、司法修習において優秀な人が選ばれて採用されます。司法修習生の5%程度の人が検察官に任命されるイメージが正しいと思います。
検察庁で行われる検察修習において高い評価をもらえるようにしましょう。
弁護士になるには
弁護士を選ぶ場合には、弁護士会に加入し弁護士登録する必要があります。司法試験に合格した人の多くは弁護士になることでしょう。
大手の法律事務所であるほど、司法試験の合格前から弁護士事務所において就職活動が始まります。
インハウスローヤーとして企業法務部に就職する方は、通常の新卒の就職活動や転職活動のルートに従って就活をすることになります。
弁護士になる方の年齢層は幅広く、30代の人が最も多い印象があります。