司法試験は日本で最難関の試験です。合格するには膨大な時間を勉強に費やす必要があります。
いつか合格することを夢見て頑張ってきても、なんらかの理由で司法試験から撤退せざるを得ない方も中にはいると思います。
司法試験を撤退すべきかどうかを迷っている方もいるかと思います。
司法試験から撤退しようかと、苦しみながら検討している人に向けて、私が司法試験から撤退することを決めた理由を3つお話します。
目次
司法試験から撤退した理由① 進むべき道は法曹か
新司法試験を受けるには制限があります。私もロースクールを卒業して5回の受験が可能でした。
しかし、制限回数内に合格できなければ、もう一度ロースクールを卒業して受験資格を得なければいけません。私は、まだ司法試験を受験するチャンスがありました。
しかし、2回司法試験に挑戦した後、あるとき勉強をしていて、フト自分に向き合おうと思いました。
毎日勉強ばかりしていると忘れがちですが自分のことを見直す時間というのは大切だと思います。
「自分が本当にやりたかったことが司法試験なのか?」
「自分が望んでいる将来の姿は何なのか?」
「本当に受験を続けていいのか?」
と初心に戻って自問自答しました。
そのときに、私が進むべき道はここではないと思ったのです。これが撤退を決めた理由です。
もちろん、ロースクールに入学したときは自分の進むべき道はここだと思っていました。しかし、実際にやってみてわかることもありますし、変わっていくこともあります。
司法試験から撤退した理由② 法律家になる適性なし
私が撤退することを決めた2つ目の理由は、自分には法律家になる適性がないことに気づいたからです。
ロースクール入学の際には適性試験というものを受けて、その成績表を提出する必要があります。ちなみにロースクールの未修者コースの場合は適性試験が重要になってきますし、既修者コースの場合は適性試験の他に法律科目の試験もあります。
適性試験は法律家として必要な要素を持っているかどうかを測るための試験です。パズルのように一見すると論理的な問題や論述問題を解かされます。
もちろん、司法試験に合格するには基本的な適性能力のみならず、判例や条文などを暗記する必要があります。ロースクール在学中までは暗記と練習でどうにかなっている部分がありました。
しかし、司法試験を受けてみて、それだけではない適性のようなものも試験合格には必要になってくるのではないかということに気づいたからです。
司法試験から撤退した理由③ 体調を崩した
また、受験生活を送る中で、体調を崩したことも大きかったです。
司法試験の合格を目指していると受験生のほとんどが毎日を勉強に費やしているのではないでしょうか。
勉強しながら片手でパンを食べたり、運動もせず、一日中、同じ姿勢でいたり…
睡眠も十分ではなく一日5時間も寝れば良い方という方もいるかもしれません。ひどい場合では、あまりに無理をし過ぎで、倒れてしまったり、病院に入院してしまったということもあります。
私の場合、肩こりや頭痛のみならず、胃腸の調子が悪くなってしましました。
薬を飲んでなんとかごまかしていましたが、司法試験を続けるのには精神的のみならず肉体的にも相当負担がかかっているのだということに気づきました。
そのときに、これまでお話した理由に加えて、「辞めどき」なのだなと思いました。
司法試験から撤退した今思うこと
私が司法試験から撤退して思うことは、受からなくて悔しかったという気持ちももちろんありますが、撤退して良かったこともあったことです。
一番大きかったのは、司法試験が自分の生活の全てではなくなったということです。
司法試験合格を目指しているまでは、勉強することが生活の大部分になっていて、考えられることも司法試験のことばかりでした。
しかし、司法試験を撤退することを決めてからは、自分の好きなことや趣味のことを考えられるようになりました。
また、友達や家族との時間を楽しめるようになりました。司法試験を撤退するのは必ずしもデメリットばかりではなく、メリットもあるのだと思いました。
司法試験の受験が苦しくて悩んでいる方へ
今まで頑張っていたものを辞めるということは決断力も必要ですし、ものすごく勇気がいることだと思います。
しかし、辞めることで新しい発見もあるのも事実です。
自分にとって何が一番良いのかをよく考えて、皆さんにとって良い選択になることを祈っています。
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