貴方は司法試験の受験勉強に明け暮れる日々を送り、何度も自分自身を奮い立たせながら勉強してきたことと思います。
司法試験の受験生は、皆さん頑張り屋さんであり、優秀な方ばかりです。
精神面でも、これだけ困難な受験を乗り越えることができた方は、評価されることが通常です。
能力面でも、これまで学んできた専門能力は、十分に社会で通用します。
確かに社会人としての経験が不足しているため、仕事に慣れるまでに多少時間がかかるかもしれません。
書類を単純に比較すると、同年代の社会人よりも職務経験が見劣りすることも事実です。
ただ、ポテンシャルも含めて、司法試験受験生は、その能力面で「マイナス評価」されることは絶対にありません。
特に最近では、元司法試験受験生が企業においても成功を収めているので、司法試験上がりの方への評価が高まっています。
ですので、元司法試験受験生だからと言って、就職ができないということはありません。不必要な心配やら不安を感じる必要はないのです。
司法試験に9回不合格の末、職歴なしの状態で就職活動。法科大学院卒業後に34歳にして企業に入社。
その後、3回の転職経験を経て、現在、丸の内にある国際的な金融機関で部長職についている。
法科大学院卒業後の年収は400万円だったが、現在の年収は2000万円。
採用決定者の一員として、面接も月に4回ほどのペースでこなしている。
目次
司法試験不合格者は就職できないという誤解
よくある勘違いは、
就職活動をしても、司法試験不合格者(法務博士を含みます)を採用してくれる企業はないという誤解です。
特に、受験歴が長い方や、20代後半や30代以上の方は、「自分は企業に就職できない」と思い込みがちです。
しかし、そんなことはありません。
なぜなら実際に、私は34歳で銀行法務部に入社することができました。
入社後も、アップグレードの転職に成功し、最近では、他の企業から「うちの会社に興味ありませんか?」と声がかかることが多い状況です。
いわゆるヘッドハンティングです。
だから、断言できます。
司法試験から撤退した方でも、
たとえ30代以上で職務経験がない方でも
やり方を間違えなければ、必ず企業に就職することができます。
司法試験不合格者は出世できないという誤解
次にある誤解は、
司法試験不合格者が就職しても、出世できないという誤解です。
しかし、法律の専門性を兼ね備えた法務博士が活躍できるフィールドは多岐にわたり、また活躍の場も非常に多いことが現実です。
3年間ごとに、地位がステップアップするイメージを持てば良いでしょう。
司法試験不合格者は年収が低いという誤解
入社当初は年収は低い
たとえ就職できたとしても、給料も安くて、年収は低いと勘違いしている人も多いことでしょう。
確かに、入社当初は、年収はそれほど高くないでしょう。
元・司法試験受験生は、中途採用の枠で就職活動することが通常です。
中途採用の場合には、職歴が重要となります。
職歴がない元受験生は、他の転職者より安いお給料から始まることが多いはずです。
大卒の新入社員に比べて、多少多い程度の年棒で社会人生活をスタートさせる事も多いと思います。
職務経験を積むに従い、給料は上がる
しかし、職務経験を積むに従って、お給料は確実に増えていきます。
実際に私は、社会人として働き始めてから七年間で、年収1000万越えを達成し、現在も右肩上がりで上昇しています。
弁護士として働いている同級生達よりも、年収面で上回っている状態です。
言いたいことは、たとえ司法試験から撤退して民間企業で働き始めたとしても、
十分に活躍できるということです(法務博士があると若干有利)。
司法試験不合格者の就職活動⇒最初にやるべき事
では、司法試験不合格者が就職活動をするには、どのような活動をすれば良いのか、確認していきましょう。
⑴事前準備:合格発表前に就職活動
まず、最初のチャンスは、法科大学院を卒業して、最初5月の試験終了後、9月の発表までの間に訪れます。
この時期は、法律事務所において合格者予備軍を対象とした採用活動が実施されると思いますが、
時期を同じくして、企業法務部の採用担当者も採用の窓口を開いている場合があります。
合格発表前ではありますが、司法試験に不合格であることに備える意味でも、この時期から企業へアプローチしておくことが望ましいでしょう。
⑵法科大学院卒業生向けの就職サイトに登録
また最近では、法科大学院卒業生向けの就職サイトもあるようです。
こちらのサイトに登録することも良いと思いますが、企業には周知されておらず信用力が弱いのです。まだまだマイナーな存在です。
企業からの募集情報も少なく、現実的な就職活動先と考えにくいでしょう。
⑶教授や知人の紹介
知人の紹介で就職先が見つかるケースも稀にありますが、運不運があるでしょう。
なかなかお話が舞い込むことは数少ないでしょうから、自ら積極的に就職活動を展開していくべきです。
⑷転職サイトに登録
自ら積極的に、手足を動かして就職活動することをオススメします。
大学の新卒者が就職活動する場合と異なり、司法試験受験生(司法試験不合格者)が就職活動する際には、「転職活動」と同じルートを辿ると考えておきましょう。
会社員が転職活動をするのと同じように、転職サイトに登録して、転職エージェントに転職先を紹介してもらい、面接に進むことが一般的です。
多くの司法試験受験生は、会社での就労経験がないこともあり、転職サイトへの登録には躊躇してしまいがちですが、積極的に登録しましょう。
前向きに考えて欲しいのですが、
転職サイトへの登録に躊躇する人が多いということは、積極的に転職サイトに登録するだけで、貴方にはアドバンテージがあることになります。
転職サイトへの登録は無料ですし、エージェントがあれこれとサポートしてくれるので、気負わずに登録することが重要です。
❶転職(就職)サイトに登録
兎に角、転職サイトに登録しないことには、就職活動は始まりません。
エージェント(会社)ごとに、保有している求人情報の数や種類が異なるので、なるべく多くの転職サイトに登録しておくことが、就職活動を成功させる秘訣となります。
元・司法試験受験生(司法試験不合格者)の就活は、既に企業での就労経験がある方との競争となります。
社会人経験面においては、どうしたって元受験生が見劣りすることは事実です。
内定を勝ち取るには、それなりに熱意・工夫、そして戦略が必要となります。
私自身、転職活動を数多く経験し、現在では面接採用官になっているので、就職活動で内定を勝ち取るコツは抑えています。
まずは面談予約を入れてみましょう。
転職サイトに登録しないことには、内定獲得への道は拓けません。
まずは自分を動かすことが大事です。
自分が動きださないと何も始まりません。
❷就活に必要となる提出書類を確認
転職サイトに登録後、次に提出書類の作成が必要になります。
エージェントに提出した書類はそのまま企業に提出されることになります。
- 履歴書
- 職務経歴書
履歴書と職務経歴書は、似ていますが、似て非なる書類です。
「履歴書」は貴方のこれまでの人生の流れを確認するものとなり、
「職務経歴書」は、履歴書のうち、就労している時期において、どのような仕事をしてきたか?
ということを証明するものです。
両者はそれぞれ、書き方のコツがあるのです。
特に法科大学院卒業生が就職活動する際には、この「履歴書」と「職務経歴書」をいかに書くことができるか?
これが非常に重要となります。
なぜなら、貴方が必要書類を提出した後に行われることは、企業採用担当者が提出書類を審査する作業です。
提出された書類を審査して、多数いる応募者の中から「誰を面接に呼ぼうか?」ということを決定します。
企業には多くの応募者がやってきます。
「履歴書」と「職務経歴書」が多数送られてきます。
企業の採用担当者は、多忙な業務の合間に、それらの提出書類に目を通します。
そして、誰を面接に呼ぼうか?ということを選択することなるのです。
面接時間は45〜60分です。
企業で働いている方が、これだけの時間を捻出することは大変です。
時間を割いてでも会う価値のある人物か?ということを提出書類を見て判別することになります。
特に法科大学院の卒業生の場合、多くの方は履歴書と職務経歴書の書き方が難しいのです。
面接に呼ばれる書類を作成することは至難の技なのです。
❸「履歴書」「職務経歴書」を作成
エージェントによっては、ホームページなどで履歴書や職務経歴書の作成方法を指導してくれる会社もあります。
しかし、エージェントの視点と、実際に採用する企業目線での視点はかなり異なります。
それに、エージェントでは、基本的には一人の1つの履歴書・職務経歴書しか受け付けてくれません。
しかし、履歴書・職務経歴書は、企業ごとに書き分けなくてはいけないので、企業ごとに個別に作成することが求められるのです。
企業ごとに書類を書き分けなければ、書類選考を通過できる確率は低くなるのです。
特に、司法試験の勉強をしていた法科大学院卒業生の場合、書類の書き方には特別の配慮が必要になります。
法科大学院の卒業生が履歴書・職務経歴書を書くには、どのような点に気をつければ良いのか?
多くの就職活動を繰り返してきて、今現在は、逆に採用者として書類選考をしているので、コツを押さえています。書類審査で落とされてしまい、面接に進めないときは、こちらを読んでください▶︎
❹面接対策をする(内定を勝ち取る練習を)
無事に書類選考を通過すると、次は採用面接が実施されます。
1回60分程度の面接が、3回〜4回実施されます。
多くの場合、面接担当者は、以下のイメージです。
- 人員を募集している部署の責任者
- 一緒に働くことになる部署の同僚
- 他の部署の責任者レベルの人
- 社長・副社長・取締役
一番重要なのは、人員を募集している部署の責任者と、一緒に働くことになる部署の同僚との面談です。
毎日顔を合わせながら、一緒に働くことになる人ですから、これらの人たちと面接する際には最新の注意を払いましょう。
面接に合格するためには、最低限のお作法のようなものも存在します。面接に合格するための極意と実践方法については、私が主催している実践会でお伝えしています。
次に行われる可能性のある「他の部署の責任者レベルの人」との面談に進めた場合、ここで落ちる可能性は少なくなると思います。
他の部署の採用活動に口出しするケースは非常に稀だからです。
しかし、最後の社長レベルのマネジメント層との面接には最新の注意が必要です。
基本的には、現場の部署責任者が承認している人間について、不合格判断をすることはないのですが、
実際に話してみて、社長などが「??」と感じてしまうと、不合格になります。
最終合格を勝ち取るための面接の極意については、順次アドバイスしていきます。
まずは面談予約を入れてみましょう。
転職サイトに登録しないことには、内定獲得への道は拓けません。
履歴書 | 採用担当者が教える「履歴書」の書き方の技術⇒ |
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面接 | 採用担当者が教える「面接」の受け方の技術⇒ |