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契約締結日のバックデートは違法?→法的リスクと対処法

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コンプラ博士
コンプラ博士
今回は契約締結日をバックデートすることに問題がないか?と言うお話しです。

契約書のバックデートは違法?問題がない場合

取引の場面において、フロント部門から「契約締結日」をバックデートしたいという要望や質問を受けることがあります。法務コンプライアンス部門としてはどのように回答したら良いでしょうか。

結論から言うと、

「実質的に合意ができた日にバックデイトすることは、違法でなく問題ありません」

なぜなら、契約書は契約当事者間で合意できた内容を書面化するものです。契約当事者間で(例えば)合意が4月1日に成立していれば、たとえ契約書の作成が4月8日になったとしても、4月1日に契約が成立したことを確認するため、契約書を4月1日付けで作成することに問題ありません。

当事者間で合意していた日を確認する意味で、実際の合意日を契約締結日とするならば、契約締結日をバックデイトすることに合理的な説明がつくのです。

問題があるバックデート(法的リスク)

しかし、

「当事者間において実際の合意日と関係なくバックデイトするときには注意が必要です」

確かに、契約自由の原則があるので、契約締結日をバックデイトすることは問題ないと主張する人もいることでしょう。

しかし、実際の合意日でない日付けを契約締結日とすることは「虚表示」の状態です。実際の合意日でないのに、あたかもその日に合意があったかのように装うことは、民法上の虚偽表示に当たる可能性があります。

民法 94条1項は「相手方と通じてした虚の意思表示は、無効とする。」としているので、第三の利関係者がいる場合にはバックディトが虚偽表示として無効となるリスクがあるのです。

パックデートが原因で法律上トラブルとなる事例は多くないかも知れませんが、契約書は事実に即して正確に記載するべきなので、契約日のバックデートは避けるべきです。

虚偽表示がコンプライアンス上(契約書の信頼性・事実の正確性の観点)、望ましいものではありません。

バックデートの要請があるときの「対処法」

取引において業務の都合上、どうしても契約締結日を遡れさせたい場合の対処法をお話しします。

効力を遡れさせたい場合や、確認日を明確にしたい場合には、以下の契約テクニックを駆使しましょう。

契約締結日を遡れたい場合には、契約の効力を遡及させる「遡及効」の規定を盛めば良いですし、

特定日に当事者間で合意が確認されたことを明確にするには「確認条項」を規定に盛り込めばよいだけです。

敢えて契約結日のバックデートを行う必要はありません。契約締結日はあくまでもその契約が締結された日としておくべきです。

契約書をバックデートすることの法的問題とリスク

契約書をバックデートすることは、しばしば不正行為や法的な問題を引き起こす可能性があります。

バックデートは契約の日付を意図的に操作することであり、契約書の信頼性や透明性を損なう行為と見なされることがあるからです。

バックデートを行うことで、契約書の作成時期や条件が不正確になり、契約当事者の権利や義務が不明瞭になる可能性があります。税務上や会計上の不正行為とみなされることがあり、法的な責任を問われる可能性もあります。

そのため、契約書をバックデートすることは法的なリスクが高い行為として避けるべきです。契約書に正確な日付を記入し、法的な手続きに従うことが重要です。

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